課題
電子機器のパッケージング、アセンブリ(組み立て)、および検査において欧州最大手となる企業が、既存のガスボイラーの更新期を迎え、代替となるヒートポンプソリューションを模索していました。
この工場では、電子機器の製造プロセス中に発生する湿気を抑える(除湿)ための「冷房」が必要である一方、働く900人の従業員の快適性を維持するために「冷房と暖房の両方」を同時に必要としていました。施設はポルトガル・大西洋沿岸に位置し、その広さは50万平方フィート(約46,000平方メートル)に達します。
同社は現在、暖房システムの電化をはじめとする持続可能なソリューションを組み合わせることで、自社運用の脱炭素化に注力しています。炭素排出量を完全にゼロにすることは容易ではないと認識しつつも、将来的には運用の大半を再生可能エネルギーで賄うという明確な目標を掲げています。
今回のプロジェクトにおける最大の技術的課題は、一般的なヒートポンプで想定される凝縮器(コンデンサー)側の出入口温度差(デルタT)が「10℃」であるのに対し、この現場では「16℃のデルタT」に対応しなければならない点でした。さらに、製造プロセス特有の複雑な冷暖房の同時需要を満たすことも、難度の高い課題の一つでした。