外気を利用して電気代を30%削減:ドイツの化粧品・医薬品工場におけるフリークーリングチラーへの刷新プロジェクト
課題
自然由来の医薬品や化粧品を製造する大手メーカーが、ドイツ国内にある大規模な生産拠点において、既存チラーの更新と冷却能力の増強を計画していました。
この工場では、それぞれ300 kWのプロセス冷却(生産ライン用冷水)を供給する2台のチラーを運用していましたが、そのうち古い1台が故障してしまいました。冷却需要が増加していたことから、同社は当初「2台とも新しい機器に買い替える必要がある」と考えていましたが、工場の屋上には代替機を2台設置する十分なスペースがないという懸念に直面していました。
また、同社は「フリークーリング」を活用することで、大幅な省エネ(電気代削減)を達成することも目指していました。同社はもともとトレインの顧客であったため、プロセス冷却の要件に対してトレインのエンジニアチームが最適なソリューションを考案してくれると確信し、相談を寄せられました。
解決策
トレイン・ドイツのチームは、お客様と緊密に連携し、製造ラインの運用に真に必要な冷却能力(熱負荷)を精査しました。その結果、高効率な空冷式チラー「Sintesis Advantage CGAF 160 XE」を1台導入し、まだ稼働可能な既存の300 kWチラー1台と組み合わせることで、工場全体で合計800 kWの冷却能力を確保できると試算しました。これにより、当初想定していた「もう1台分の追加購入」という無駄な設備投資を行う必要がなくなりました。
導入された「CGAF」チラーのフリークーリングシステムは、メーカー側の要求を完全に満たし、さらなる運用コストの削減と、システムの主要コンポーネントの摩耗低減による長寿命化を確実なものにしました。
設置スペースが非常に限られていた工場の屋上ですが、かつて3台目の設置を想定して基礎だけが用意されていた場所があり、床面積(フットプリント)を最小限に抑えた新しいCGAFチラーをそこにぴったりと収めることができました。
さらに、もう一つの技術的な課題として、既存の水配管(ハイドロニックシステム)の圧力不足が挙げられました。この配管の欠陥が古いチラーの熱交換器に悪影響を及ぼし、故障の原因となっていたのです。トレインのチームは、新設する高効率チラーの性能を最大限に発揮させるため、この配管システムの改修も合わせて推奨・実施しました。
結果
フリークーリングとは、年間を通じてチラーのコンプレッサー(圧縮機)をフル稼働させるのではなく、冬季などの涼しい季節に「屋外の冷たい空気」をそのまま冷却源として活用する技術です。外気温度が冷水の必要供給温度を上回る季節(夏場など)には、チラーによる機械的な冷却運転へとシームレスに切り替わります。
比較的気温の低い季節において、このお客様はフリークーリングを最大限に活用できるようになり、結果として空調にかかるエネルギーコストを大幅に「30%削減」することに成功しました。
新設されたトレイン製CGAFチラーが持つ「高いエネルギー効率」と「大容量」のおかげで、お客様は将来にわたって3台目の機器への投資を一切行う必要がなくなりました。この工場の製造プロセスでは比較的高い温度の冷水が要求される仕様であったため、外気との温度差を有効に使いやすく、フリークーリングの機能をフルに活かした劇的なコスト削減効果を引き出すことができました。
※本記事で紹介した海外の製品仕様や一部サービスは、日本国内においては取り扱いが異なる場合がございます。トレイン・ジャパンでは、国内の法基準や各施設の敷地条件・運用要件に合わせた高効率な空調・換気システム、既存設備の省エネ改修(レトロフィット)をご提案しております。詳細はお気軽にお問い合わせください。
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