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地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)

地球温暖化係数(GWP)とは?

地球温暖化係数(GWP)とは、それぞれの温室効果ガス(GHG)が、設定された期間内に大気中にどれだけの熱を閉じ込める(蓄える)かを定量化するために用いられる指標です。この値はガスの種類によって異なります。ガスのGWP値が高ければ高いほど、地球温暖化への影響(貢献度)が大きいことを意味します。

GWPを用いることで、施設管理者やエンジニアなどのステークホルダーは、HVAC(空調・冷凍・換気)システムで冷媒として使用されるガスを含め、さまざまな種類のガスが気候に与える影響を直接比較することができます。


Environmental damage. Deforestation and logging. Aerial photo of forest cut down causing climate change

なぜHVACにおいてGWPが重要なのか

冷媒は、空調(冷房)システムやヒートポンプシステムにおいて熱を移動させるために不可欠な物質ですが、その多くは強力な温室効果ガスでもあります。これらが大気中に放出されると、気候変動に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

温室効果ガスには、水蒸気のように自然に発生して生命を支えているものもありますが、クロロフルオロカーボン(CFC:旧フロン)やハイドロフルオロカーボン(HFC:代替フロン)などは人工的に作られたものであり、大気中に長く留まって熱を閉じ込め、世界的な気温上昇を招く原因となります。その結果、冷媒に関する規制は世界規模で進化しており、産業界と各国政府が一体となって、これら物質による環境負荷の削減に取り組んでいます。

GWPの計算方法

GWPは、あるガスがもたらす地球温暖化への影響を、基準となる二酸化炭素(CO₂)と比較して計算します。CO₂のGWPは基準値として「1」と定められています。例えば、GWPが「200」の冷媒は、同じ期間において、同量のCO₂よりも200倍多くの熱を大気中に閉じ込めることを意味します。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)および米国環境保護庁(EPA)の規制枠組みでは、IPCC第4次評価報告書(AR4)に記載されている「100年間のGWP値」が標準として採用されています。

R-410Aの段階的削減と低GWP冷媒への移行

オゾン層を最も破壊し、非常に高いGWPを持つCFC(クロロフルオロカーボン)系冷媒は、すでに全廃されています。また、R-22(HCFC-22)やFreon™に代表されるHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)系冷媒も、オゾン層破壊係数(ODP)を持つことから、EPAによって新設機器への使用がすでに禁止(フェーズアウト)されています。

現在広く使われているR-410A冷媒は、CFCやHCFCの代替として登場したHFC(ハイドロフルオロカーボン)系冷媒であり、R-32とR-125をブレンドしたものです。しかし、このR-410Aの地球温暖化係数(GWP)は「2088」と非常に高い値です。そのため、2021年に制定されたアメリカ合衆国イノベーション・製造(AIM)法に基づき、EPAは2025年以降に稼働するHVACシステムに対して「GWP 700以下」の制限を設定しました。これを受けてトレインや他のメーカーは、従来の性能を維持または向上させつつ、環境への影響を最小限に抑える「低GWP冷媒」への移行を進めています。

現在、商用および住宅用アプリケーションにおいて、最も有望視されている次世代冷媒は以下の2つです。

  • R-32:GWPは「675」(R-410Aと比較して約68%削減)
  • R-454B:GWPは「466」(R-410Aと比較して約78%削減)。エネルギー効率が向上し、オゾン層破壊係数(ODP)はゼロです。

冷媒の先にあるもの:エネルギー効率の向上がもたらす相乗効果

冷媒の選定は極めて重要ですが、新しいHVACシステムがもたらす「エネルギー効率の向上」もまた、気候に大きなメリットをもたらします。低GWP冷媒を使用するように設計された最新のHVACシステムは、一般的に古いシステムよりも省エネ性に優れています。

この「低GWP冷媒への転換」と「機器のさらなる高効率化」という2つのメリットは、自社運用の脱炭素化(カーボンニュートラル)を目指し、社内外のサステナビリティ目標を達成しようとする企業や組織にとって、非常に実効性の高い具体的なアプローチとなります。

トレインのサステナビリティへのコミットメント

トレインが進める低GWP冷媒への移行は、当社の広範な環境ミッションである「ギガトン・チャレンジ(Gigaton Challenge)」と完全に一致しています。私たちの目標は、2030年までにお客様の施設運用から排出される温室効果ガスを「10億メタルトン(1ギガトン)」削減することです。これは、イタリア、フランス、イギリスの3カ国が1年間に排出する総量に匹敵します。

私たちはこの変革を支援するため、以下の取り組みを行っています。

  • 次世代冷媒に最適化したHVACシステムの再設計・開発
  • エンジニアや設備施工会社(コントラクター)のコミュニティに対する、教育および技術ガイダンスの提供
  • 冷媒転換の過渡期における、既存(従来型)設備への継続的な保守・運用のサポート

今後に向けて

現在、R-410AやR-22を使用したHVACシステムを運用・管理されているビルオーナーや施設管理者の皆様にとって、今こそ冷媒の移行計画を開始すべき時期です。トレインでは、より持続可能なテクノロジーへのスムーズな移行確実にするため、システム設計からリプレイス(更新)、さらには各種補助金や優遇措置の活用支援まで、総合的なサポートを提供しています。

規制要件への適合をクリアし、貴社のサステナビリティ目標を前進させる最適なソリューションについて、ぜひトレインにご相談ください。

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