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HVACとは

HVACとは何の略か、どのような構成要素があるのか、そしてシステムの効率はどのように測定されるのか? トレインの商用HVACのエキスパートが、HVACの基礎を解説します。


modern office building stands among lush green trees

HVAC(暖房・換気・空調)とは?

HVAC(エイチ・ブイ・エー・シー)とは、Heating(暖房)、Ventilation(換気)、Air Conditioning(空調)の頭文字をとった言葉です。これらは、オフィスビル、工場、データセンター、病院などのあらゆる商業・産業空間において、温度、湿度、そして室内空気質(IAQ)をコントロールするために不可欠なシステムです。

現代の建物におけるHVACシステムは、単に「快適な温度に保つ」だけでなく、建物利用者のウェルネス(健康維持)、エネルギー消費量の削減、そして脱炭素(カーボンニュートラル)社会の実現に向けた重要なインフラへと進化しています。

 

商用HVACシステムの主な構成要素

一般的な住宅用エアコンとは異なり、大規模な商用ビルや産業施設では、高い収容人数や複雑な用途に対応するため、以下のような高度な機器やシステムが組み合わされています。

チラー / 冷凍機(Chillers)水や冷媒液を冷却し、その冷水を建物内に循環させて大規模な冷房を行うシステムです。高層ビル、データセンター、地域冷暖房など、大容量の冷熱源が必要な施設に不可欠です。トレインが世界的に高いシェアと技術力を誇るコア製品です。
ヒートポンプ(Heat Pumps)空気や水、あるいは地中の熱を利用して、効率的に暖房と冷房の両方を提供するシステムです。化石燃料を使わないため、建物のオール電化(電化)やCO2排出量削減(デカルボニゼーション)の主軸として、日本国内でも採用が急速に進んでいます。
エアハンドリングユニット / 空調機(AHU)チラーで作られた冷水や、ボイラーで作られた温水・蒸気を利用し、調整した大風量の空気を建物全体に循環・分配する大型の装置です。
ボイラー(Boilers)水加熱(温水・蒸気)による暖房や給湯、あるいは工場の生産プロセス、吸収式冷凍機の熱源として使用されます。
湿度制御・室内空気質(IAQ)システム外気を導入する際に、適切な加湿や除湿、さらには高性能フィルターによる空気浄化を行い、快適で衛生的な室内環境を維持します。
ビル管理・制御ソリューション(Building Automated Systems)建物全体の空調・照明システムなどを中央で一括管理し、スケジュール運転や遠隔監視、エネルギーの最適化制御(省エネ運転)を可能にします。

HVACシステムの効率指標:施設管理者が知っておくべきこと

空調機器の省エネ性能を評価する際、日本国内では主に以下の指標(省エネ法準拠)が使われますが、グローバルプロジェクトや外資系企業の案件では米国基準の指標が参照されることもあります。

  • 建築基準法・ビル管理法:
    必要な換気量(外気導入量)や空気環境の維持管理。
  • フロン排出抑制法・高圧ガス保安法:
    環境負荷の低い「低GWP冷媒」や「次世代冷媒(A2Lなど)」への移行に伴う、安全な設計と適切な運用。
  • 建築物省エネ法:
    新築・改修時における一定以上の省エネ性能の義務化。
  • ASHRAE基準・LEED認証:
    外資系企業のオフィスビルや、グローバルな環境価値を高めるトップクラスのサステナブル建築で求められる国際基準。

 


商用HVACシステムの種類

施設に最適なHVACシステムの種類は、建物の規模、階数、用途、地域の気候、およびお客様が掲げるエネルギー・脱炭素目標によって異なります。
日本国内の商業・産業施設では、主に以下のシステムが採用されています。

中央熱源方式(セントラル空調:チラー + ボイラー)機械室や屋上に設置した大型チラー(冷凍機)やボイラーで冷水・温水を作り、それを建物内のエアハンドリングユニット(AHU)やファンコイルユニット(FCU)に循環させて全館一括で環境制御を行うシステムです。大規模オフィスビル、病院、データセンター、工場などで高い実績を誇り、トレインが最も強みとするソリューションです。
ビル用マルチエアコン方式(VRFシステム)1台または数台の室外機に対して、多数の室内機を個別に接続・制御できるシステムです。日本のオフィスビルや中規模店舗における「個別空調」のスタンダードであり、部屋ごとの細かい温度設定や、優れた省エネ性が特徴です。
店舗・オフィス用パッケージエアコン方室内機と室外機が1対1(または少数のペア)で構成される、比較的小規模なスペースやテナント向けのシステムです。設置が比較的容易で、リニューアル(改修)時にも柔軟に対応できます。
電気・ガス ハイブリッド空調システム電気で駆動するヒートポンプ(EHP)と、ガスエンジンで駆動するヒートポンプ(GHP)を組み合わせたシステムです。電力需要が高まる夏場や冬場に、状況に合わせて稼働バランスを最適化し、建物の電力デマンド(ピーク電力)を抑制する日本特有の省エネ・BCP対策として注目されています。
地熱・未利用エネルギー利用システム年間を通じて温度が一定である地中熱や、河川水、下水などの「未利用熱」をヒートポンプの熱源として利用する、極めて環境負荷の低いソリューションです。敷地条件を満たすサステナブル建築において、長期的なCO2排出量削減に貢献します。

商用HVACに関する法規と基準

商業ビルにおけるHVACシステムは、国や自治体が定める以下の法的規制や基準に適合する必要があります。

  • 国内の主要な法規・基準
    • 建築基準法・ビル管理法(建築物衛生法):必要換気量(外気導入量)や室内空気環境の維持基準を規定
    • 建築物省エネ法:新築・改修時における一定以上の省エネ性能の義務化
    • フロン排出抑制法・高圧ガス保安法:冷媒の漏えい防止管理や、低GWP(低地球温暖化係数)冷媒・次世代冷媒(A2L等)導入時の安全設計規制
  • グローバル基準・脱炭素の動向
    • ASHRAE基準:省エネ(Standard 90.1)や室内空気質(Standard 62.1)に関する国際基準
    • 各自治体による条例(例:東京都の総量削減義務プログラム等)および脱炭素化(電化・再エネ導入)の義務付け

これらを遵守することは、利用者の安全確保や法令適合だけでなく、ESGレポートの開示、税制優遇措置の活用、および建物のレジリエンス(災害対応力・回復力)計画の強化にも直結します。

 

施設に最適なHVACシステムの計画

すべての建物には固有の条件があります。
最適なHVACシステムを選定・設計する際は、以下の要素を総合的に検討します。

  • 建物の規模、構造、およびレイアウト
  • 利用者の人数、用途、および必要な空気質(換気量)
  • 地域の気候特性
  • 初期投資予算と、国・自治体による補助金や電力・ガス会社のインセンティブ
  • サステナビリティ(脱炭素・電化)の目標
  • 将来的な拡張性(即応性)とメンテナンス性(保守戦略)

実績のあるHVACエンジニアや専門の設備業者と連携することで、適切な容量設計(サイジング)がなされ、省エネ性と法規適合を両立したシステム構築が可能になります。

 

トレインの商用HVACが選ばれる理由

1913年の創業以来、トレイン(Trane)は性能を最大限に高め、環境への影響を最小限に抑えながら、時代とともに変化する商業・産業空間のニーズに適応するHVACシステムの設計と提供をリードしてきました。

商業施設、最先端のデータセンターや大型工場にいたるまで、幅広い分野での豊富な実績をもとに、私たちはシステム全体を最適化するアプローチを導入し、お客様の以下の課題解決を支援します。

  • エネルギー消費量(電気代)の削減
  • 室内環境質(IEQ・室内空気質)の向上
  • 次世代冷媒への移行スケジュール(フロン排出抑制法等)への確実な対応
  • 利用可能な補助金や優遇税制を活用した投資最適化
  • 企業のサステナビリティ目標(脱炭素・カーボンニュートラル)の達成

トレイン・ジャパンでは、ビルや工場のHVAC(空調・冷凍・換気)システムに関する総合的なソリューションをご提案しています。

施設の省エネ化や脱炭素化、室内空気質の改善に関する課題がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。



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