メルボルンの国際会議場にノンフロンターボ冷凍機導入
Products Used: Chillers
トレインのノンフロンターボ冷凍機がオーストラリア・メルボルンの国際会議場に採用された背景や用途、CO2排出量の削減予測などをご紹介します。
「メルボルン・コンベンション・アンド・エキシビジョン・センター(MCEC)」は、南半球最大の30,000平方メートルの大きさを誇り、重要な国際会議・展示場として使用されている施設です。観光名所であると同時に、世界でも珍しい環境にやさしい建物で、グリーンビルディング(環境配慮型建物)の基準では、グリーンスターの格付けで最上級の「6スター」を獲得しています。
昨年末、同センターで実施されている「熱源改修プロジェクト」に、オーストラリアとニュージーランドにおけるトレインの営業・サービス代理店であるVeolia社が参加しました。
既存の他社製 4,000 kW(1,136 USRT)のターボ冷凍機は、冷媒R-22を使用しており、機器の更新の時期を迎えようとしていました。そこで新たなターボ冷凍機として選ばれたのが、ノンフロン冷媒R-1233zdを採用した、トレインのノンフロンターボ冷凍機です。
Veolia社営業技術のDavid Lim氏は、トレインのノンフロンターボ冷凍機が「HFC冷媒削減に向け、すでに欧州、日本でも成功を収めている」ことや、「採用しているノンフロン冷媒R-1233zdのGWP(地球温暖化係数)が1と、非常に環境に配慮された製品である」ことを採用された理由として挙げています。
このノンフロンターボ冷凍機は、オーストラリアで初めて使用されるHFO冷媒を採用した大型冷凍機となりました。
同プロジェクトでは、ターボ冷凍機とともに、トレインの「Optimumスクリューチラー(インバータ機)」2台も合わせて導入されました。同センターの設備会社によれば、ノンフロンターボ冷凍機とスクリューチラーはそれぞれ次のような用途で使用されるといいます。
会議場(ホール)の空調用途、気温の高い時期及び夏季のピーク時の高効率空調用途で使用。
気温が高くない時期の部分負荷で使用。
今回更新されたターボ冷凍機に使用しているノンフロン冷媒R-1233zdは、HFO冷媒としては数少ない不燃性冷媒で、地球温暖化係数はニアゼロ(GWP:1)と考えられている点が高く評価されています。
また、低圧冷媒を使用していることは、トレインのターボ冷凍機が1938年に世界で初めて開発されたときからの一貫した設計思想の一つであり、この伝統を継承した低圧、漏えい防止設計である点も高く評価されています。
Lim氏によれば「今回の高効率熱源への更新で、年間約50,000豪ドルの電力料金が削減され、約275トンのCO2排出量を削減すると試算している」といいます。
地球温暖化防止に向け、着実に実績を積みつつあるトレインのノンフロンターボ冷凍機。今回は海外の実績をご紹介させていただきましたが、今後、国内の案件についてもご紹介させていただきます。
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