営業・サービス拠点

ASHRAE(アシュレイ)とは

A engineer under checking the industry cooling tower air conditioner is water cooling tower air chiller HVAC of large industrial building to control air system.

ASHRAE(アシュレイ)の全容:組織の概要から、その重要性、活動を支える会員メンバーまで詳しく解説します。


ASHRAE(アシュレイ)とは?

American Society of Heating, Refrigerating and Air-Conditioning Engineers(米国暖房冷凍空調学会) の略称です。

1894年に設立された、暖房、換気、空調、冷凍(HVAC&R)に関わる国際的な学術団体です。世界130カ国以上に5万人以上の会員を擁し、建物の設備システムやエネルギー効率、室内空気質(IAQ)に関する世界基準を策定する、この分野で最も権威のある組織の一つです。

日本国内では「JIS(日本産業規格)」や「建築基準法」が優先されますが、ASHRAEは「グローバルスタンダード(国際標準)」として極めて重要な役割を担っています。


ASHRAE(アシュレイ)の会員構成

主な会員は次の通りです。

  • コンサルティングエンジニア、ビル設備エンジニア
  • 建築家(アーキテクト)
  • 機械設備工事業者(メカニカルコントラクター)
  • 建物オーナー
  • 製造企業の従業員
  • 教育機関・研究機関の専門家
  • 行政機関の担当者
  • 大学生・大学院生などの学生会員

ASHRAE は、このような幅広い専門家によって支えられ、建築環境・HVAC・エネルギー効率分野の発展を推進しています。

 

 

ASHRAE基準(ASHRAE Standards)

ASHRAE(アシュレイ)は、暖房・冷凍・空調(HVAC)に関する国際的な専門家団体です。建物の環境性能や設計ガイドラインとして、世界中で参照される多くの基準(Standard)を発行しています。

これらの基準は、コンサルティングエンジニア、機械設備業者、建築家、政府機関などに幅広く利用され、建物のエネルギー効率、換気、快適性、安全性の向上に貢献しています。

日本国内においても、外資系企業のプロジェクトや、国際的な環境性能評価システムである「LEED(リード)認証」などの取得において、これらグローバルスタンダードへの準拠が強く求められるケースが増えています。

特に重要とされる代表的なASHRAE基準と、日本市場における位置づけは以下の通りです。

 

ASHRAE Standard 90.1(エネルギー効率基準)

新築建物(低層住宅を除く)の設計において、最低限満たすべきエネルギー効率の要件を定めた基準です。省エネ建築やサステナブルな建物設計における“世界標準”の中核を担っています。

※ 日本では「建築物省エネ法」に基づく計算が一般的ですが、LEED認証の取得を目指すグローバルプロジェクトでは、この「Standard 90.1」の遵守が必須の評価基準となります。

ASHRAE Standards 62.1 / 62.2(換気・IAQ基準)

建物利用者が健康的に過ごせるよう、必要最小限の換気量と室内空気質(IAQ)基準を規定しています。

62.1(商業・公共施設向け)/ 62.2(住宅向け):
室内汚染物質による健康リスクを抑えるための指針です。

※日本の「建築基準法」や「ビル管理法」に基づく換気基準に加え、近年ではより高度な空気浄化、ウェルネス、感染症対策(パンデミック対応)の指針として、国内の最先端オフィス設計でもこの基準値が積極的に参照されています。

ASHRAE Standard 15(冷凍システムの安全基準)

冷媒を使用する空調・冷凍システムにおいて、設計、設置、運用時の安全対策やリスク管理を定めた国際的な安全基準です。冷媒漏えい時の検知・換気要件、システムの許容圧力、安全弁(圧力逃がし弁)の取り扱いなどに関する重要なルールが規定されています。

※日本国内では「高圧ガス保安法」が法的義務として適用されますが、環境負荷の低い低GWP(低地球温暖化係数)冷媒や、微燃性冷媒(A2L)への世界的な移行が進む中、グローバル水準のリスク管理指標としてStandard 15の考え方が国内でも非常に重視されています。
 

ASHRAE Standard 55(熱的快適性の基準)

人が快適と感じるために必要な温度・湿度・気流・ふく射熱など、室内の熱環境条件を規定しています。 建物の快適性評価・室内環境設計に広く活用されています。

ASHRAE(アシュレイ)が業務用空調(HVAC)に与える影響

新築計画や既存建物の改修において、ASHRAEが定める基準やガイドラインは、設計・施工プロセスに極めて大きな影響を及ぼします。
主な理由は以下の通りです。

  • グローバルな法規制や許認可へのスムーズな対応
    多くの建築基準や省エネ基準は、ASHRAE 62.1/62.2(換気)や90.1(エネルギー効率)を引用しています。これらに準拠した設計を行うことで、特に外資系企業の案件やグローバルプロジェクトにおける申請・承認プロセスが円滑に進みます。

  • 健康・快適性・安全性の高度な担保
    換気、ろ過、温熱環境、冷媒の安全性、レジオネラ菌対策など、建物利用者の健康を守るための具体的な数値目標がASHRAE基準には明示されています。これに従うことで、客観的な根拠に基づいた「安全で安心な空間」づくりが可能になります。

  •  エネルギー・運用コストの最適化(LCC削減)
    ASHRAEのエネルギー基準や設計ガイドは、効率的な設備計画とインテリジェントな制御を促進します。これにより、高い省エネ性能を実現し、建物のライフサイクルコスト(LCC)の大幅な削減に貢献します。

  • 資産価値の向上とパフォーマンスの維持
    ASHRAEのベストプラクティス(最善の手法)を導入することで、設備の信頼性とメンテナンス性が向上します。オフィスや商業施設に不可欠な「快適性」と「安定稼働」を長期にわたって維持できます。

  • 補助金や環境認証(LEED・WELL)取得の鍵
    多くの省エネ補助金プログラムや、世界基準の建物環境認証であるLEEDやWELLは、ASHRAE基準を評価の「基盤」として採用しています。基準の遵守は、これら国際認証を取得するための最短ルートとなります。

  • 未来の規制変化への即応
    ASHRAEは、低GWP冷媒の採用や高度なIAQ(室内空気質)管理など、最新の技術知見に基づき基準を定期的に更新しています。これに沿った計画は、将来の規制強化に対するリスクヘッジとなり、建物投資の価値を長期的に守ります。

ASHRAEの基準策定に深く関わり、その基準を熟知して設計・施工を行うトレインのようなパートナーと協働することで、建物オーナー様は、安全性・効率性・性能が世界最高水準で確保されているという、大きな安心感と確かな資産価値を得ることができます。

 

英文の同記事を読む Read this article in English


トレインの技術者にご相談ください

お客様の空調機器、及びシステム機器の性能を常にベストな状態に保つためにあらゆる面でお客様をサポートします。