ルーベン・トレインが発明し、暖房・冷房、そしてHVAC業界を一変させた革新的なコイル。その誕生から100周年を迎えました。
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1926年、ルーベン・トレインは“ひとつの問題を解決する”という思いからスタートしました。しかし、彼の取り組みは結果として業界全体を変革することになりました。今年は、ルーベン・トレインが設計した「コンベクターラジエーター」を搭載したトレイン・ヒートキャビネットの発表から100周年にあたります。
コンベクターラジエーターは、現在一般的に「コイル」と呼ばれるフィン付きチューブ熱交換器の原型であり、この発明によりユーザーは重く扱いづらい鋳鉄製ラジエーターや暖炉から解放されました。
今日、熱交換器は世界中の暖房・空調システムに不可欠な存在となり
・どの気候でも快適な室内環境
・食品の長距離輸送
・医薬品の安全な保存と輸送
など、現代の生活を支える基盤技術となっています。
ヒートキャビネットの原案は、1920年代初頭にウィスコンシン州ラクロスにあるトレインの最初の自社工場「Plant 1」の一角で考案されました。
当時、父であるジェームズ・トレインのもとで設置作業をしていたルーベンは、重い鋳鉄製ラジエーターを階段で運び上げる作業にうんざりしていたと言われています。
この不便さが、従来のラジエーターを置き換える新たな仕組みを発明する動機になりました。
試作の過程で彼は銅製フィン付きチューブを用いた実験を重ね、熱交換効率を飛躍的に向上させました。
キャビネット外装は装飾性を備え、建物の内装に合わせて仕上げることが可能。内部のコイルは自然対流で動作し、蒸気または温水のコイルを通って空気が上昇し、上部から流れ出る仕組みでした。
ファンは使用されておらず、手動ダンパーにより気流調整が可能でした。
その軽さと効率性は、旧来の鋳鉄ラジエーターを大きく上回っていました。
1926年4月17日付の Domestic Engineering 誌に、トレイン社は6ページにわたる広告を掲載し、ヒートキャビネットについて
「その革新性はあまりに画期的で、現代暖房への影響は計り知れない」
と宣言しました。
この主張は当時大胆に聞こえましたが、歴史はその正しさを証明しました。コイルの発明は熱交換市場を根本から変えたのです。
その後、ルーベン・トレインはコンベクターラジエーターおよびその製造プロセスに関して複数の特許を取得しました。
ヒートキャビネットの発表後、トレイン社の売上は急成長し、1926年には初めて年間売上100万ドルを達成。1929年には200万ドルに倍増しました。
コンベクターラジエーターは、次々と新製品の基盤となりました。
エリック・スターム(Eric Sturm):アプリケーション・エンジニア
2006 年にトレインへ入社し、音響、エアサイドシステム、インドアアグリカルチャー、室内空気質(IAQ)に専門性をもつアプリケーションエンジニアです。ASHRAE の複数の委員会に所属し、同団体から Distinguished Service Award や YEA Award of Excellence を受賞するなど、業界で高く評価されている技術者です。