世界的会議センターのアップグレードと制御

老朽化した空調設備や交換が必要なさまざまな照明器具を抱えるジョージア世界会議センター(GWCC)で、信頼性、安全性、美観を向上させるためのアップグレードを実現した事例です。

 

ジョージア世界会議センター(GWCC)とは

米国ジョージア州アトランタにあるコンベンションセンター。1.5万平方フィート相当の主要な展示スペース、毎年100万人以上の訪問者を迎えます。米国で3番目に大きく、1976年にオープンした米国で設立された最初の国営コンベンションセンターです。

 

 

プロジェクトハイライト

  • 場所:米国ジョージア州アトランタ
  • 産業分野:コミュニティスペース
  • 導入した製品:冷凍機、エネルギー管理および制御
  • 導入したサービス:エネルギー分析・監視、エネルギー効率化契約、スタートアップメンテナンス、アップグレード等の改善
  • 気候:高湿度・高温

 

結果

  • エネルギー使用量を39%以上削減
  • 2,000万kWh以上の電力を節約し、年間250万ドル以上を削減
  • 天然ガスを年間 24 万 trms 以上削減
  • 水の使用量を年間1,700万ガロン削減
  • 289トンの建設廃棄物をリサイクル
  • 電力会社から422,264ドルのリベートを獲得
  • 年間876,141ドルの運用コスト削減を実現
  • LEEDゴールド認証を取得し、世界最大のLEED認証コンベンションセンターとしての指定を維持

 

課題

老朽化した空調設備や交換が必要なさまざまな照明器具を抱えるジョージア世界会議センター(GWCC)では、信頼性、安全性、美観を向上させるためのアップグレードが必要でした。また、世界最大のLEED®認証を取得したコンベンションセンターとしての地位を維持するため、4つの機械設備を1つに集約し、施設全体をシームレスに稼働させることで効率化を図りたいと考えていました。

GWCCのプロジェクト・プログラムマネジメント部長のジェフ・オデン氏はこう述べました。「私たちは市場での競争力を高めることを望んでいました。そのためには、顧客満足度の向上、長期的なリスクの低減、施設の近代化などが必要でした。」

 

ソリューション

GWCCは、ジョージア州の省エネパフォーマンス契約プログラムを通じて、アップグレードパートナーとしてトレインを選択しました。このプログラムは、建設プロジェクトがエネルギーと運用の節約分を効率改善の費用に充てることを可能にします。トレインとGWCCは詳細な監査を行い、エネルギー使用量の多い分野を特定するためにエネルギー費用を見直し、節約の可能性に基づいて省エネルギー対策の優先順位を決定しました。

GWCCのサステナビリティ・CSRマネージャーのティム・トレファー氏は言います。「トレインは、私たちの複雑なシステムと、1年365日稼働の特殊な施設の課題を理解してくれました。サステナビリティも提案の重要な要素でした。トレインはこのプロジェクトに最も適していたのです。」

 

デザイン・ビルド・チームの結成

トレインは、GWCCと最適な外部企業で構成されるデザイン・ビルド・チームを結成しました。30名からなるこのチームは、何百もの図面と何千ものユーティリティデータに目を通し、目的達成のためのアイデアを出し合いました。

 

メカニカルオペレーションの一元化

3つのビルにあった4つの機械プラントを1つのプラントに集約し、老朽化した冷凍機とボイラーをより信頼性が高く、効率の良い機器に交換しました。中央プラントには、インバータ(VFD)付きの1490トンおよび1650トンのTrane® CenTraVac™ターボ冷凍機が4台あり、6000トンのピーク負荷要件に対応しています。コンデンシングボイラーは3,000万Btuの熱を供給し、加湿の問題にも対応します。20年以上の寿命を持つこの中央プラントは、施設の長期的なニーズに応えることができます。

 

エネルギーコストの削減、美観の向上

5万台を超える屋内外のメタルハライドランプ、水銀灯、T-12型蛍光灯が、全て高効率のLEDに交換されました。新しい照明器具は寿命が500%延び、照度や演色性が向上し、来場者の体験を向上させるとともに、大幅な省エネとメンテナンスの軽減を実現しました。200台以上のデータロガーが設置され、改修前と後の稼働時間を計測しました。

 

運用管理、エネルギー使用量の管理

GWCCの施設チームは、Trane® Tracer™ SCビルディングオートメーションシステム(BAS)を使用して、Web接続されたモバイルデバイスからシステムにリモートアクセスし、運転の監視、設定値の制御、スケジュールの設定、アラームの管理などを行っています。

「トレーサーは、二次ポンプ、一次ポンプ、冷却装置、冷水、およびすべての流量を監視しています。」とGWCCの物理プラントマネージャー、ウェイン・ロッサー氏は言います。「BASにより、非常に効率的なプラント運営をしていると実感できます。」

トレイン・インテリジェント・サービス*は、施設のエネルギー消費量を測定し、異常を特定して問題を予測し、必要に応じてGWCCがシステムを修正できるようにします。また、エネルギー管理システムは、測定基準を報告するため読みやすいフォーマットでデータを提供します。

「Trane Building Performanceでは、リアルタイムの運用データを確認でき、24時間365日の傾向分析が可能で、ダッシュボードを作成して使用状況、天候、稼働率を簡単に監視できます。」オデン氏はこう述べます。「このデータに基づいて、予算編成を決定するためのインテリジェントな意思決定を行うことができます。」

 

結果

ジョージア州エネルギー削減パフォーマンス契約のもと、トレインとGWCCは、会場の競争力を高め、来場者の体感を向上させ、エネルギーコストとリスクを低減するため、より効率的で持続可能な快適環境を実現するために協力しました。トレインは、中央プラント機器のメンテナンスや、GWCCのスタッフに対する継続的なトレーニングを提供し、システムの適切な運用と保守を支援するなど、顧客と手を取り合って作業を続けています。トレインの測定・検証(M&V)チームが年に2回中央プラントを訪れ、異なる稼働レベルや展示の種類で冷房と暖房のパフォーマンスを比較し、エネルギー削減が計画通りに進んでいるかどうかを確認します。

トレファー氏は、「照明の品質と空調システムの効率を改善したのです。GWCCはLEED®ゴールド認証を取得する見込みですが、その大きな部分を占めるのが省エネ性能契約によるものです。」

オデン氏は最後にこう述べています。「トレインは私たちのイベントを考慮して動いてくれました。彼らは素晴らしいパートナーであり、GWCCをまるで自分たちの会社のように扱ってくれました」。

 

*上記サービスについて、詳しくはお問い合わせください。

 

英文の同記事を読む Read this article in English