トレインはターボ冷凍機の開発において、先進的な技術革命を行ってきた老舗メーカーです。1938年に世界初の密閉ターボ冷凍機の特許を取得し、大型空調システムに対する業界の捉え方を根本から変えました。この技術革新の継続が、現在、ノンフロン次世代冷媒「R-1233zd」「R-514A」などをいち早く採用した高効率ターボ冷凍機に結実しています。
ここでは、ターボ冷凍機の構造や仕組みについて解説します。
トレインはターボ冷凍機の開発において、先進的な技術革命を行ってきた老舗メーカーです。1938年に世界初の密閉ターボ冷凍機の特許を取得し、大型空調システムに対する業界の捉え方を根本から変えました。この技術革新の継続が、現在、ノンフロン次世代冷媒「R-1233zd」「R-514A」などをいち早く採用した高効率ターボ冷凍機に結実しています。
ここでは、ターボ冷凍機の構造や仕組みについて解説します。
空調方式には一般的に「個別空調」「セントラル空調」の2種類があります。
「個別空調」とは、各部屋やエリア毎に家庭用エアコン、パッケージエアコンを設置し、そのエリアの空調を行う方法です。一般の家庭や、中・小型のテナントビルなどでは、ほとんどがこの方式と言えます。
「セントラル空調」とは、工場や大型のビルの機械室に熱源装置(ターボ冷凍機や吸収式冷凍機、ボイラ等)を設置し、この熱源から作られる冷水・温水を各エリアに送風するファンコイル、エアハンドリングユニットに内蔵されているコイルに送水し、そのコイルにファンで送風し、熱交換することにより空調する方法です。メリットとしてはクリーンルーム等の温度・湿度が厳しい空調や、広いエリアを一括して空調管理が出来るなどがあります。
ターボ冷凍機は「セントラル空調」で使われる熱源装置になりますが、各熱源装置の特徴を簡単にまとめます。
冷媒(フロンガス等)を用いて、冷水を作る装置。冷媒ガスの圧縮方式が遠心式のタ ーボコンプレッサを採用していることから、ターボ冷凍機と呼ばれている。冷媒の凝縮については、冷却水で行う。容量的には大型(2000USRt以上)~中型(200USRt)まで。
ターボ冷凍機と同様にフロン冷媒やアンモニアを用いて、冷水を作る装置。冷媒ガスの圧縮方式が2つのスクリューによる圧縮を採用していることから、スクリュー冷凍機と呼ばれている。冷媒の凝縮については、冷却水で行う水冷方式と、外気による空冷方式がある。容量的には中型(500USRt以上)~小型(30USRt)まで。
前述のターボ冷凍機、スクリュー冷凍機と同様にフロン冷媒を用いて、冷水を作る装置。圧縮機の方式としては、スクロールコンプレッサ搭載型、レシプロコンプレッサ搭載型。容量的には小型(100USRt以下)まで。一般的にはチラー、チリングユニットと呼ばれる。
水を冷媒として用い、冷媒とは別に臭化リチウムと呼ばれる吸収液が存在する。冷水、温水の取り出しをすることができ、簡単に言えば、この一台で冷房・暖房することが可能。熱を加える方法はガス・油などの燃料を用いた燃焼方式か、高温高圧の蒸気による方法がある。上記のターボ冷凍機、スクリュー冷凍機と異なるのは電気を動力とした圧縮機が存在しないこと。容量的には大型(2000USRt以上)~小型(50USRt)まで。
もっと詳しくは >>> 吸収式冷凍機とは~構造原理と仕組み~
ターボ冷凍機の主な仕事は「冷たい水」を作ること。大型のビルや工場などの空調を目的とした熱源機の一つであり、冷媒の冷凍サイクルを利用して冷水を作り、設備のポンプによって空調機等に送水され、製造業などの空調設備やプロセス冷却に活用されています。
ターボ冷凍機には用途に応じていくつかの種類があります。主なものは下記の通りです。
工場空調やビル空調を目的とし、販売している9割近くのがこの目的で使用されています。
氷蓄熱用もしくは化学・食品・飲料プラントで使用されます。冷水回路に水の代わりに不凍液(ブライン)というものを使用します。
温水の補助加熱を目的とし使用されます。本来、冷却水が冷却塔に放熱する熱を再利用します。
下記の4つの構成となります。
エバポレータ(蒸発器)内部で冷水から熱を奪い蒸発した冷媒ガスは、コンプレッサ(圧縮機)の回転により強制的に吸込まれます。吸込み量はインレットガイドベーンの開閉度によって調整されます。吸込まれた冷媒ガスはインペラー(羽根車)の回転による遠心力により圧縮され、コンデンサ(凝縮器)に吐出されます。高温で圧力の高い冷媒ガスがコンデンサチューブに通水される冷却水に放熱し凝縮します。凝縮された液冷媒はオリフィス板、エコノマイザを経てエバポレータ(蒸発器)に流れます。
では、凝縮された液冷媒は何故にエバポレータにながれるのか?それは運転中の圧力差が関係しています。トレインのターボ冷凍機のエバポレータ(蒸発圧力)とコンデンサ(凝縮圧力)の器内圧力差は約100~40kPaの圧力差があります。
流体は圧力の低い方に流れやすいという原理を利用して液冷媒をコンデンサ(凝縮器)からエバポレータ(蒸発器)に戻しています。
圧力差を作るために、オリフィス板(複数の小さな穴が空いた板)を2枚、もしくは3枚設置して圧力差を保っています。オリフィスの枚数は圧縮機(コンプレッサ)の段数と同じ枚数になります。他社の場合、オリフィスではなく、電動式の膨張弁を制御することで圧力差を作っています。
トレインの場合、膨張弁にしないのは膨張弁が稼動部品になるためであり、稼動部品の箇所がリーク(空気侵入)の原因になりやすいということと、冷媒循環量が少ない低負荷時でも安定した圧力差を保ちながら、冷水温度を安定させるためです。