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一次エネルギー換算とは

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吸収式冷凍機とターボ冷凍機のCOPを比較すると、カタログ等に記載されているターボ冷凍機のCOPは6程度と高いですが、これは二次エネルギーの消費電力から算出された値です。

一方、吸収式冷凍機のCOPは一次エネルギーから算出されています。

冷凍機の効率を同じ条件で比較するために一次エネルギー換算を行います。
 

一次エネルギーと二次エネルギー

吸収式冷凍機では、冷媒が蒸発し吸収液に吸収され、吸収された冷媒を再生器で「熱」を加え分離しますが、この「熱」は都市ガスや重油を燃やして作ります(もしくは蒸気や高温水を再生器へ供給)。

一方、ターボ冷凍機は、電気で圧縮機を稼働させます。

都市ガスや重油は「一次エネルギー」、電気は発電し作り出したもので「二次エネルギー」と言われます。
 

発電ロス・送電ロス

電気は、火力発電所、水力発電所、原子力発電所といった発電所で作られ、送電線、変電所、変圧器を経由し需要家(電気の利用者)へ届けられます。火力発電では、発電ロスと需要家へ供給するまでの送電ロスにより、火力発電所に投入した一次エネルギーの35~40%が需要家の元へ届き電力となります。そのため、電力を一次エネルギーに換算する場合は、電力÷35~40% となります。

 

一次エネルギー換算値

省エネ法施行規則で、電力をエネルギー消費量へ換算(原油換算、すなわち一次エネルギー換算)する数値が決まっていますが、この換算数値である電気事業者から買電の単位発熱量は次の通りです。これらの数値から計算した値も35~40%になります。

● 昼間電力:単位発熱量9.97 MJ/kWh  (36.1%)

● 夜間電力:単位発熱量9.28 MJ/kWh  (38.8%)

● 上記以外の電力:単位発熱量9.76 MJ/kWh   (36.9%)

  • * 電力 1 kWh は 3.6 MJ であり、昼間電力で計算すると 3.6÷9.97=36.1% となります。
  • * 単純に消費電力量をエネルギー消費量(原油換算値)に換算する場合は、kWh×単位発熱量 になります。

 

吸収式冷凍機とターボ冷凍機のCOPを比較すると、カタログ等に記載されているターボ冷凍機のCOPは6程度と高いですが、これは二次エネルギーの消費電力から算出された値です。

そのため、吸収式冷凍機とターボ冷凍機の効率を同じ条件の一次エネルギーで比較するには、ターボ冷凍機COP×35~40%で、ターボ冷凍機COPを一次エネルギー換算のCOPに算出する必要があります。

 

【出典】経済産業省 資源エネルギー庁「エネルギー仕様の合理化等に関する法律 省エネ法の概要」

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