データセンターのノンフロンターボ冷凍機導入
Products Used: Chillers,
- 極めて重要なアプリケーション
- 気候変動戦略との整合性
- エネルギー使用量とCO2排出量の削減
- LEED 認証取得
- 冷凍機の容量と特殊な許容範囲を保証し、稼働時間を最大化
- 運用コストの低減
- 主要サプライヤの窓口を一本化
- 高効率Trane® CenTraVac® ターボ冷凍機
- 40,288 kWh/年のエネルギー使用量の削減 低圧・超低GWP冷媒
- 540,288 kWh/年のエネルギー使用量の削減
- 330トン以上CO2排出量を削減
- 年間35,000ドル以上の運用コスト削減
- 業界認知度の向上
高効率チラープラントの採用により、330トン以上のCO2排出量削減と、年間540,288 kWhのエネルギー消費量を削減し、極めて重要なデータセンター向け冷凍機システムの切れ目のない運用を実現した事例です。
フォード・モーター・カンパニー 様 とは
Ford Motor Company
ミシガン州ディアボーンを拠点とするグローバル企業であるフォード・モーター・カンパニー。
フォード社のフルラインの自動車、トラック、SUV、電気自動車、リンカーン等の高級車の設計、製造、販売、サービスを提供。フォード・モーター・クレジット・カンパニーを通じて金融サービスを提供し、電動化、自動運転車、モビリティ・ソリューションの分野でリーダー的地位を追求しています。フォード社は全世界で約199,000人の従業員を擁しています。
課題
フォード・モーター・カンパニーは、同社のディアボーン・キャンパスを改革促進のために設計された近代的なハイテク施設への変革に着手する上で、世界的なCO2排出量とエネルギー消費量を削減するための気候変動戦略との整合性を図ることが重要な検討事項でした。キャンパスの改修が進む中で、そこに収容される大規模な第3次データセンターの計画が具体化し始めました。このデータセンターは、電気自動車や自動運転車のコネクティビティ、製造、サポートに合わせて、同社のデータ使用量が推定100%増加することを許容するために建設された2つの新しい施設のうちの1つでした。
データセンターでは、IT機器やそれを支えるインフラのために相当な電力を必要とします。冷却はデータセンターの消費電力の40%、総運用コストの16%を占めると推定されています。フォード社は、24時間365日体制の目標を掲げ、エネルギー使用量と運用コストの抑制を図りました。LEED®認証可能な施設には、すべての運用ポイントで効率的な空調ソリューションが組み込まれています。データセンターという特殊な性質上、空調システムには特別な許容範囲、冷凍機能力の保証、稼働時間の最大化、そして総運用コストの削減が求められていました。
「フォード・モーター・カンパニーが自動車会社からモビリティ企業へと移行する中で、継続的で多くの計算処理能力の必要性が高まりました。」
フォード・ランドエンジニアリングマネージャーのアトキンス氏はこう述べています。
「新しいデータセンターの建設はニーズ通りでした。プロジェクト仕様は、効率性、持続可能性、施設が地球温暖化に与える影響等が大きな要素でした。」
ソリューション
フォード社は、新しいデータセンターのパートナーを選ぶ際、いくつかの選択肢を評価しました。トレインは、数十年にわたる信頼関係と、設計、アプリケーションエンジニアリングの専門知識、極めて重要なアプリケーションに信頼性の高いソリューションを提供する能力を単一窓口で提供しました。データセンター空調システムの設計構築パートナーに選ばれたトレインは、プロジェクトのゼネラルマネージャー、機械請負業者、エンジニアであるフォード社と協力して、チラープラント設計のためのプレミアムソリューションを開発しました。
次世代低GWP冷媒による安全で持続可能なソリューションの提供
データセンターの冷却ニーズに対応するため、670トンのTrane® CenTraVac® ターボ冷凍機6台が選定されました。環境負荷を低減するよう設計されたEcoWise™製品群であるこの冷凍機は、大気圧以下で稼働する低圧冷媒を使用しているため、冷媒の漏れが実質的になく、排出量ニアゼロを実現しています。CenTraVacターボ冷凍機は、GWPが2未満の次世代低GWP(低地球温暖化係数)冷媒「R-514A」を採用した世界初のターボ冷凍機です。またトレインのターボ冷凍機は、世界で初めて製品固有のタイプIII環境製品宣言(EPD)登録を取得した業務用冷凍機であり、冷凍機の性能と環境に関する要求を満たし、厳しい第三者認証要件への適合が証明された製品です。
フォード・ランドエンジニアリングマネージャーのアトキンス氏はこう述べています。「トレインの冷凍機にはR-514A冷媒が採用されていることが、当社の冷凍機選択の決め手となりました。この冷媒は安定しており、当社の温室効果ガス排出量とGWP基準を満たしており、職業ばく露や火災の危険性もありません。」
ダウンタイムを最小限に抑えた効率的で静かな運転を実現
このターボ冷凍機はフォード社の立会人のもと、トレインのウィスコンシン州 ラクロス工場で性能試験を行い、すべての要求性能と仕様を満たしていることが確認された後、ディアボーン・キャンパスに納入・設置されました。システムはフォード社のKW要求値を満たしており、低電力使用効果(PUE)比と総運用コストを表示することができます。さらに効率を高めるために、外気温が低い場合には、設計に組み込まれたフリークーリングを使用して水を冷やし、コンプレッサーを稼働させずに冷却能力の最大45%を供給することができます。
CenTraVacターボ冷凍機のシンプルで堅牢なデザインは信頼性が高く、メンテナンスもほとんど必要ないため、データセンターのダウンタイムを最小限に抑えることができます。万一の障害時には、再起動機能によりシステムを迅速にオンラインに戻すことができ、重要な運用に支障をきたすことはありません。さらにターボ冷凍機の設置面積が小さいため、データセンターのフロアスペースを最適化することができます。また、低速のモータ直結駆動設計により、UAWの要件を満たす80デシベル以下の騒音レベルで、静かで振動のない運転を実現しています。
「CenTraVacターボ冷凍機を使えば、複雑さを感じず高性能なレベルを手に入れることができます。効率が向上し、全体的な運転コストも向上しました。」とアトキンス氏は述べています。「さらに、静粛性は世界クラスです。最初の試運転では、技術者ではない何人かの人たちが、(静かすぎて)本当に運転しているかを確認するために冷凍機に触れていました。」
導入結果
フォード・モーター・カンパニーはトレインと提携し、エネルギー効率が高く、持続可能で信頼性の高いチラープラントを導入して、ディアボーン・キャンパスの重要なミッション、データセンターの切れ目のない運用を実現しました。その結果、同社は年間540,288 kWhのエネルギー使用量を削減し、CO2排出量を330トン以上削減しました。年間の運転コスト削減額は35,000ドル以上と見積もられています。持続可能性を高めると同時にボトムラインを改善するアップグレードが完了したことは、環境管理に対するフォード社の先進的なコミットメントを達成しています。このプロジェクトで数々の賞を受賞しています。
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