「2050年カーボンニュートラル」の目標を掲げる日本政府は「温室効果ガス排出量を2030年度までに2013年度と比較して46%削減」という指針を示しています。民間企業にとっても、CO2等の温室効果ガスの削減は今後さらに重要な課題となることは間違いありません。
この記事では、国内における排出削減対策、吸収源対策を積極的に推進する「J-クレジット制度」についてその仕組みや活用方法などを解説します。
May 09, 2024
「2050年カーボンニュートラル」の目標を掲げる日本政府は「温室効果ガス排出量を2030年度までに2013年度と比較して46%削減」という指針を示しています。民間企業にとっても、CO2等の温室効果ガスの削減は今後さらに重要な課題となることは間違いありません。
この記事では、国内における排出削減対策、吸収源対策を積極的に推進する「J-クレジット制度」についてその仕組みや活用方法などを解説します。
2013年に国内クレジット制度とオフセット・クレジット(J-VER)制度が発展的に統合され、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2等の排出削減量や、適切な森林管理によるCO2等の吸収量を「クレジット」として国が認証する制度です。
本制度により、中小企業・自治体等の省エネ・低炭素投資等を促進し、クレジットの活用による国内での資金循環を促すことで環境と経済の両立を目指します。
創出されたクレジットは、経団連カーボンニュートラル行動計画の目標達成やカーボン・オフセットなど、様々な用途に活用できます。
省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの活用により、ランニングコストの低減や、クレジットの売却益、温暖化対策のPR効果が見込めます。
クレジットの認証・発行までには、プロジェクトの登録とモニタリング(削減量や空襲量を算定するための計測等)の2つのステップがあります。
まず、どのような温室効果ガス排出削減・吸収事業を実施または計画しているかを明確にして、事務局に相談、登録します。
当該事業の一例
・省エネルギー:ボイラー、ヒートポンプ、空調設備、照明設備、コージェネレーションなどの導入または更新
・再生可能エネルギーへの代替:太陽光発電、水力発電、風力発電、バイオマスボイラーの導入など
・森林管理:定期的・計画的な間伐など
登録後は、モニタリングを実施し、その結果に基づき排出削減・吸収量を策定して報告書を作成、クレジット認証申請をします。
排出削減・吸収に資する技術ごとに、適用範囲、排出削減・吸収量の算定方法及びモニタリング方法等を規定したものです。空調設備関連の方法論は、次の通りです。
・EN-S004:空調設備の導入
・EN-S005:ポンプ・ファン類への間欠運転制御、インバーター制御又は台数制御の導入
詳細は、J-クレジット制度のホームページをご覧ください。
【参考】