12階建ビルの空調・照明 遠隔監視と制御

アバクロンビー&フィッチ 様

12階建て、東京銀座通りの銀座六丁目交差点に銀座で一番背の高い56mを誇るビルの1~11階、店舗面積約973m2の巨大店舗となり、11フロアすべてに抜群のルックスとスタイルを持ち合わせたショップスタッフ“ストア・モデル”が溢れ、独自の店舗空間を演出しています。

 

Web遠隔監視・制御で世界共通のブランドイメージと快適さを

概要

世界共通のコンセプトをベースとした店舗展開にあたり、米国本社からの照明・空調等の遠隔監視をはじめとする管理部署による一元管理・制御により、度々の設定変更等による無駄な電力消費を抑える遠隔省エネ・ブランドマネジメントとして、トレインの省エネソリューションをご採用いただきました。

課題と背景

Abercrombie & Fitch(アバクロンビー&フィッチ) 通称「アバクロ」は、1892年にキャンプ、釣り、狩猟等の用品専門店として創設され、現在ではヴィンテージ風アメリカンカジュアルをコンセプトとして、数多くの有名人に愛用され人気を誇る米国ファッションブランドです。

銀座店は、アジア・日本進出1号店で店舗面積約973m2 、12階建てビルの1F~11Fを店舗としています。海外の旗艦店と同様、空間演出として「照明」「音楽」「フレグランス」等の五感で感じる店舗づくりにこだわっており、各旗艦店世界共通の吹き抜けの階段部壁面には、旗艦店の中で最大となる巨大な壁面を描き「刺激的でエネルギッシュ」な店舗空間を演出しています。

この世界共通のコンセプトをベースとした店舗展開にあたり、米国本社からの照明・空調等の遠隔監視をはじめとする管理部署による一元管理・制御により、度々の設定変更等による無駄な電力消費を抑える遠隔省エネ・ブランドマネジメントとして、トレインの制御システムをご採用いただきました。

新規システム立ち上げにおける必要要件

銀座店新規ビル建築にあたり下記の監視・制御要件を満たすシステム設計を行なう必要がありました。

  • 空調の監視・制御:ビルマルチパッケージエアコン(他社製)の自動制御
  • 照明のスケジュール制御
  • Web回線による遠隔監視:アバクロンビー&フィッチ社のIP-VPN(インターネット)上での遠隔制御
  • 異常検知・発報システム:火災警報、電源異常、照明盤の故障、空調機の故障

制御における問題点と解決策

空調機の手動モード切替

元々の機能では冷房・暖房モードは手動切替となっており、そのままでは外気温度や店舗内の混雑状況による温度変化を常に把握し、調整しなければなりません でした。その解決策として、当社ソフトウェアをシステムに組み込み、各フロアの環境の違いに応じて冷房・暖房切替の自動化を図りました。

他社空調機とのインターフェースの違い

空調機と当社制御機器のインターフェースが異なり、そのままシステムとして運用することはできませんでした。そのため、オープンプロトコルであるLonWorksを使用し通信を可能としました。

フロア内温度分布のバラつき

各フロアには2台の空調機が設置されていますが、店舗内の混雑状況や環境により、片側だけ温度が高くなったり低くなったりし、フロア内での温度分布のバラ つきが出てしまいバランスが悪くなるという問題がありました。しかし、トレインの制御ソフトウェアの自動修正プログラムにより、一定の温度に保つことが可 能となりました。

導入機器

機器

  1. トレイン製 BCU(ビルディング・コントロール・ユニット)
  2. トレイン製 Webサーバー
  3. トレイン製 Lon通信I/Oモジュール
  4. 他社製 Lon通信インターフェース(ビルマルチパッケージエアコン用)

ネットワーク

  1. Abercrombie & Fitch社所有のIP-VPN回線を使用
  2. WebサーバーのIPアドレス割り当て

※右はネットワーク図

導入効果

Webによる遠隔監視・制御により、米国本社からの管理を実現しただけではなく、各フロアの売り場環境を常に把握し、混雑状況等に応じた自動制御が可能となり、結果的にビル全体を常に最適環境に保つことができました。また、営業時間/営業時間外でも設定温度をスケジュール管理し、一元管理された快適環境とともに省エネを図っています。