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知らないと損をする?「フロン排出抑制法」への改正にあたって企業が把握するべきこと

April 15, 2015

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2015年4月から施行した「フロン排出抑制法」は、これまでの「フロン回収・破壊法」の内容を改正した法律です。オゾン層破壊の原因といわれるフロンの排出抑制は、地球環境問題に関する大切なテーマです。ここでは、改正後の「フロン排出抑制法」によって企業が把握するべきことを紹介します。
 

「フロン排出抑制法」への改正で何が変わったのか?

1988年、オゾン層保護のために「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律」が制定されました。この法律によって、フロン類の生産量・消費量を削減できましたが、フロン類を使用している機器の廃棄については制限がありませんでした。この問題解決のため2001年に「フロン回収・破壊法」が制定されました。

しかしながら、フロン類の漏えい量が非常に大きいことが判明し、管理者(ユーザー)の漏えい管理を含め、「フロン回収・破壊法」を改正することによって、フロン類にかかわる全ての主体へ取り組みを促すために、「フロン排出抑制法」が制定されました。
 

フロン類に関する規制対象が拡大
  • 改正前:「フロン回収・破壊法」

正式名は「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律」。古くなった第一種特定製品の廃棄、その回収や破壊に関して規制しました。

  • 改正後:「フロン排出抑制法」

正式名は「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」。現在使用している第一種特定製品の管理についてまで規制の対象が拡大されました。
 

第一種特定製品とは?

冷媒としてフロン類が充填されている機器です。

  •   業務用の空調機器(エアコン)

パッケージエアコン、ターボ冷凍機、チラー、スクリュー冷凍機、ガスヒートポンプエアコンなど

  • 業務用の冷蔵機器及び冷凍機器

冷蔵・冷蔵ショーケース、自動販売機、業務用冷蔵庫・冷凍庫など
 

「フロン排出抑制法」への改正で増える管理者の取り組み

「フロン排出抑制法」では、第一種特定製品の管理者にまで規制が拡大されました。「管理者」とは、上記で挙げた第一種特定製品のユーザー(使用者)を意味します。第一種特定製品の管理者は、「機器の定期点検」「点検の記録・記録の保存」などの実施が義務づけられています。
 

定期点検とは?

点検には「簡易定期点検」と「定期点検」があります。

  • 簡易定期点検

目視による確認など。全ての機器が対象となり、管理者が四半期以内に一度実施します。

  • 定期点検  

漏えい確認、点検記録のチェックなど。圧縮機の電動機定格出力が7.5kW以上の場合、有資格者によって実施します。エアコン区分の製品では、7.5kW以上50kW未満の機器は3年に1回以上、50kW以上の機器は1年に1回以上の点検が必須です。
 

点検の記録と保存とは?

点検内容は、該当する機器ごとに記録・保存します。

  • 記録の保存期間:機器の廃棄まで

  • 記録事項例
  1. 管理者や点検実施者など、点検にかかわった名称と氏名
  2. 機器の設置場所及び特定するための情報
  3. フロン類の初期充填量
  4. 日時及び内容・結果
     
「フロン排出抑制法」を踏まえたフロン漏えい時の心構え

定期点検によってフロン類の漏えいが確認された場合は、下記の対処を行います。

  1. 漏えい個所の特定
  2. 第一種特定製品の整備業者による修繕
  3. フロン類の回収や充填は「第一種フロン類充填回収業者」が実施
  4. 修繕後は、「回収証明書」「充填証明書」を受け取り、保管
  5. 漏えいしたフロン量を計算、1事業者において1000CO2トン/年以上の漏えいがあったときには、事業管轄大臣への報告が必要
     
「フロン排出抑制法」の遵守に向けて

「フロン排出抑制法」の遵守に向けて、管理者によるノンフロン機器などの導入や、地方自治体の支援が全国的に活発化しています。故意に違反した場合は「1年以下の懲役または50万円の罰金」の処罰規定があることも留意しなければなりません。空調設備の導入に際しては、「フロン排出抑制法」に熟知した会社との連携が成功のカギとなります。

 

【参考】

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