温室効果ガス排出量3年連続減少 環境省確報値(2016年度)

2018年4月24日、環境省と国立環境研究所が2016年度の温室効果ガス排出量を発表しました。2016年度の温室効果ガス排出量は13億7,000万トンで、前年比1.2%減となり、3年連続で減少しました。前年比減少の主要因は、省エネ、再生可能エネルギーの導入拡大、原子力発電の再稼働等による非化石燃料の割合増加が挙げられています。

1. 温室効果ガス排出量の公表について

温室効果ガス排出量の公表は、パリ協定と国内措置の規定により毎年行われています。パリ協定においては、日本が属する第Ⅰ国(いわゆる先進国)は、温室効果ガスの排出、吸収量等の目録を作成し条約事務局に提出することとされています。国内措置としては、地球温暖化対策の推進に関する法律において、政府は温室効果ガスの排出量及び吸収量を算定し公表することとされています。

2. 日本の温室効果ガス排出量

 

2016年度(平成28年度)の温室効果ガス排出量(確報値)について

出典:環境省「2016年度(平成28年度)の温室効果ガス排出量(確報値)について(PDF)」図1 我が国の温室効果ガス排出量(2016年度確報値)

 

上記グラフをみると、2016年度は2015年度比、2013年度比、2005年度比いずれについても減少していることが見てとれます。減少の主要因としては、いずれも省エネ等によるエネルギー消費量の減少とともに、エネルギー起源のCO2 排出量が減少したことなどが挙げられています。また、2015年度比、2013年度比については、太陽光発電及び風力発電等の導入拡大や、原子力発電の再稼働等によるエネルギーの国内供給量に占める非化石燃料の割合が増加したことなどもCO2 排出量減少の要因とされています。

 

3. 各温室効果ガスの排出量(2005年度、2013年度及び前年度との比較)

各温室効果ガスの排出量(2005年度、2013年度及び前年度との比較)

出典:環境省「2016年度(平成28年度)の温室効果ガス排出量(確報値)について(PDF)」表1 各温室効果ガスの排出量(2005 年度、2013 年度及び前年度との比較)

 

各温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、代替フロン等4ガス)のそれぞれの排出量について、環境省は次のように分析をして特徴を示しています。

環境省分析

環境省分析

注目点

全体の合計値は減少傾向ではありますが、パリ協定における日本の目標値は「2030年度に2013年度比26%の減少」です。2016年度は「2013年度比7.6%」であることから、目標達成においては決して楽観できない状況にあります。

また、2016年度の排出量(シェア)について9割を超える温暖化ガスは二酸化炭素(CO2)が占めており、代替フロン等4ガスは2016年度で3.7%です。しかし代替フロン等4ガスは増加傾向にあり、中でもハイドロフルオロカーボン類(HFCs)は大きく増加しています。

 

4.ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)の排出量

ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)の排出量

出典:環境省「2016年度(平成28年度)の温室効果ガス排出量(確報値)について(PDF)」表7 ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)の排出量

 

ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)の2016年の排出量は4,250万トン(CO2換算)であり、前年と比べて8.3%(330万トン)増加しました。また、2013年比で32.5%(1,040万トン)増加、2005年比で233%(2,970万トン)増加しています。前年からの増加の主な要因は、全体の9割を占める冷媒分野において排出量が増加(8.4%増)したこと等によります。これには、オゾン層破壊物質であるハイドロクロロフルオロカーボン類(HCFCs)から、代替フロンであるハイドロフルオロカーボン類(HFCs)への代替が進んでいることを背景に、次のこと等が要因となっています。

  • 業務用冷凍空調機器稼働時のハイドロフルオロカーボン類(HFCs)の排出量が増加している。
  • 廃棄する業務用冷凍空調機器からのフロン回収率が10年以上3割台にとどまっている。

また、2013年、2005年からの増加についても、上記と同様の理由により、冷媒分野において排出量が増加(2013年比34.1%増、2005年比338%増)したこと等に主な要因があります。

 

【出典・参照】

 

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